陶と墨の二人展 〜春の訪れを楽しむ〜

今井理桂 ・ 長谷川遊子

up 2011.04/18
2011年 2月24~28日

春の訪れが楽しみなこの季節、
自然釉の力強い陶と手漉き和紙に優しいタッチで描かれた墨彩画の二人展が開催されました。
     
展示台の自然釉陶芸と壁面の墨彩画が違和感なく展示されました。
津軽烏城焼(うじょうやき)の陶工、今井理桂
烏城焼の作品は全て薪窯で焼成され、釉薬は一切使用せず
窯の中で薪の灰が作品に付着し、それが溶けて自然釉と
なった作品です。

今井理桂 三筋壺

赤松の灰が宝石に化けます

ぐい飲みの中に
宇宙を感じました

阿吽のゴンゲン伏香炉
(津軽では獅子舞の獅子を権現様といいます)
2つの大登り窯、全長70mの「飛龍窯(ひりゅうがま)」と100mの「臥龍窯(がりゅうがま)」を
自ら築窯し、3カ月半に及ぶ窯焚きを成功させた今井理桂氏は、
現在、津軽は黒石にて世界最長となる150mの登り窯の築窯に着手しています。

長谷川遊子(はせがわゆうし)の描く墨彩画は、日本画の基本に従いながら、
時には油絵のキャンバスやアクリル画材を用いたり、洋画のような
構図を取り入れたりと、独特の広がりを持つ作品です。
それでいて、日本人の持つふるさとや情緒、信仰心などをみごとに
表していました。

おじぞうさま 童 観音様 飛鳥美人

赤富士
独自の画の世界を魅せる長谷川遊子。
今後も日本各地のギャラリーやイベントで作品を発表してまいります。

今回の展では、多くの皆様方に生命力あふれる自然釉陶器と優しい墨彩画の世界を同時に楽しんでいただけました。
他に類を見ない二人の作品は、優しさや温かみと同時に芯の力強さを秘めています。
それはまるで厳しい冬を耐えればこそ、優しい日差しがふりそそぐ春を愛おしく思う気持ちのようでした。

陶と墨の二人展をご高覧頂いたみなさま
誠にありがとうございました。
陶を作る事・絵を描く事しかできない二人_
それ故、今後も“己の物”を追及して行きたいと思っております。
次回お会いする際には、より高みに近づいた作品を御見せできますよう、
精進しながら前進してまいりますので、よろしくお願いいたします。
前に!
今井理桂 ・ 長谷川遊子